織物の町の賑わいは、まだ衰えていない

 

 

十日町は織物の町とよく言われますが、その由縁を知っていますか?
実は十日町市、織物工業において年間500億近い工業出荷額を誇る産地でした。
十日町市全体の8割を織物工業が占めていた時代があったほどです。

日本人の服装が洋装へと変わっていくにつれて、その出荷額は落ち込み、斜陽産業とまで言われている織物工業ですが、この「十日町きものフェスタ2016」に行ってみると「衰退している」だなんで言えなくなるでしょう。

 

「織物の町で開催されている着物のお祭りだよ」みたいな顔と名前をしているこのイベント。本当の姿は、織元と名工の匠の魂が渦巻く迫力ある展示会です。その一端を紹介できればと思います。

真髄を理解するにはまだ早い、素人目線の記事とだけご了承くだされば幸いです。

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▲一見すると、普通の着物イベントな佇まい。

 

このイベントの歴史は大正期まで遡る

 

「十日町きものフェスタ2016」という可愛らしい名前ですが、その歴史は古く大正時代に始まったといいます。「十日町きものフェスタ1916」という時代があったのでしょうか。当時であれば「六一九一タスェフのもき町日十」ですかね。気軽な名前の裏に重層な歴史が隠れていて、さっそく驚きが隠せません。

 

当時から全国津々浦々、卸商社や小売店さん方が訪れて品評なさるという機会だったそうで、十日町の「人を受け入れ、もてなす土壌」の原点も垣間見えます。

 

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▲着物で審査に参加するのをおススメします!

 
 

素人が見ても感じる、総動員された織元の技法

 

会場に入ると、ズラッと並んだ着物と反物の数々。出品されている物は「紬絣」「帯」「付下・着尺・羽織・コート」(恐らく紬絣以外の)「留袖」「訪問着」「振袖」と部門で分けられており、並べて展示された染織物は圧巻です。
※審査の関係で、会場内の写真が載せられません…!! 是非、現場へ!!

 

分からない方のために、簡単な注釈をつけましょう。
念のため、さっき文明の利器で調べておきました。

※紬絣=先に糸を染めて織る技法
※付下=着物の形をした展示
※着尺=反物
※留袖=礼服
※訪問着=カジュアルな社交着
※振袖=成人式等で着る華やかな着物

 

勉強になりますね。言葉の違いだけ、なんとなく把握しておけば良いでしょう。

 

それぞれの部門で審査会が実施されておりまして、一般の方でも投票できるようになっています。出品されている点数が多いので、一つひとつ丁寧に見ていくには結構な時間を要するかと思いますので、存分に楽しむなら、時間に余裕を持って行った方が良いですね。

 

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▲一般の方も審査員になれます。

 

それぞれの作品には、簡単な商品説明のボードが設置してあり「匠が何を考え、どんな世界観で織ったのか」が書かれています。一つひとつ読んでいくだけでも楽しいです。

 

それらの中には、僕の知っている織元さんの作品もありました。

「嗚呼、繊細な模様の明石縮はあの人が…」

 

と、職人さんの顔が浮かびます。糸の染め方や織り方、模様を出す難しさ、仕事のやり甲斐、十日町の織物の歴史。それらを本当に丁寧に教えてくれる十日町の職人さんの顔です。

工房にお邪魔する度に教えてくれるのですが、最初の頃は技術的な話は難しくて1割も理解出来なかったのです。度重なる懇切丁寧な説明によって、最近は3割くらいまで分かり、おかげで、織物文化を楽しめるようになってきました。

あとは、方言のラ行変格活用の理解とィとェの聞き分けができれば基礎知識の習熟度は6-7割くらいまで伸ばせそうです。

 

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▲丁寧で優しい職人さんとの思い出が蘇ります。

 

 

4月16日(土)の9時〜16時が入賞発表&一般公開

十日町の染織工業の真髄は今週の土曜日まで、十日町市本町6丁目の道の駅クロステンで開催されています。着物好きならば、東京駅から2時間かけても来る価値アリ!の特別展。最後は十日町織物組合さんからの熱いメッセージで締めましょう。

 

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「遥か1500年にも及ぶ長い織物の歴史をもつ十日町は良質な麻織物の産地として発展し、明治期にかけ高級絹織物の産地に、戦後は友禅や絞りの技術を導入するなど時代の変化に対応し、発展してきました。

 

歴史を繋ぐ架け橋が経糸とするならば、それぞれの時代を彩る心根が緯糸でありましょう。その心根はやがて文化となり伝統となります。

 

伝統に培われ磨かれた技、頑なで直向きな心こそ十日町の商品の真髄です。」
魂の宿る文章ですね。行く価値、ありますよね。

 

 

 

「十日町きものフェスタ2016」
主催 十日町織物工業協同組合
後援 経済産業省 新潟県 十日町市
協力 十日町織物産地買継商業組合 十日町きもの流通連合
開催期間 平成28年4月11日(月)〜15日(金)

※入賞発表・一般公開は16日(土)9:00〜15:00

開催会場 (一財)十日町地域地場産業振興センター 十日町市本町6

 

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大塚眞
地域を開く、地域を拓く。 十日町のことを「つまびらか」にしながら、外に大きく開いていく。 Co-lab Mediaとおかまちを通して、"地域びらき"を実践することで多くの「モノゴト」が起きれば良いなと思っています。この写真、目がイッてますね。