移住の第一歩として注目されている「地方のシェアハウス」

これまで首都圏に8割近くが集中していた「シェアハウス」。最近では、地方でも増えてきましたね。不動産投資において利回りを高くする手段として経営に乗り出す企業もありました。

 

一方、地方ではシェアハウスのソーシャルグッドな側面を活かして移住促進や空き家再生、PRやコミュニティづくりといった地方創生に関わる文脈でしばしば見かけます。僕の住んでいる新潟県十日町市でも、もうすぐ市内では3棟目となるシェアハウスがオープンしようとしています。

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新水シェアハウス 入居者募集

 

シェアハウスでの生活は人に囲まれ、楽しく賑やかに暮らせる一方で共同生活ならではの悩みがあります。
「シェアハウスでの生活に興味はあるけど、知らない人との共同生活は不安…」
と思っている方も多いのではないでしょうか。

 

しかし、いくつかの「コツ」を掴むことができれば快適なシェアハウスライフを送ることができます。
僕が今住んでいる「ギルドハウス十日町」にオープン前から住み始めて1年半が経ちましたが、そんな「コツ」を意識することで共同生活ながら快適に、心は伸び伸びと日々を過ごすことができています。

 

そんな僕から「シェアハウスで心豊かに暮らすコツ」を伝授いたしましょう。
人それぞれだと思いますが、「自分なりのシェアハウスとの付き合い方」の参考にでもなれば幸いです。

 

 

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▲2015年の5月にオープンしてから4000人以上が来訪している魔空のような場所

 

 

その① 「相手を助けること」が前提の助け合い

シェアハウスから連想される「助け合い」という言葉。耳触りがとても良いですが、これを勘違いして、「シェアハウスにいれば誰かに助けてもらえる」と考えて入居すると長続きはしないでしょう。

 

基本的な考え方は「自分のケツは自分で拭く努力をしろ!」です。個人として独立し、自立性が確保された上で「相手を助ける」ことを前提としていかなければ互いにストレスは溜まっていきます。

 

例え話になりますが、僕は市街地でお酒を飲むことが多いです。
当然、車では帰れないので、基本的にはタクシー代行を使うか、23時30分発の終電車に乗ってギルドハウス十日町の最寄り駅「美佐島駅」から真っ暗な街灯もない道を月明かりを頼りに徒歩20分かけて家に帰ります。

 

なぜかといえば、「助けてもらうことが当たり前」になるのを極力避けるため。
1度や2度であればそういったお願いも良いかもしれません。ただ、長い目線で見れば「目に見えない負担 (ストレス)」を少しずつシェアハウスにかけていくことになるでしょう。

 

シェアハウスへのストレスが一定を超えると、管理人の「マチコサン」が寝込んでしまいギルドハウス十日町が消滅の危機に瀕します。「マチコサン」が存在しなくなったギルドハウス十日町は3日で廃れ、1週間で荒れ果てると言われています。

 

助けてもらう時は「体調が悪い」というような特別な事情や物理的に帰宅が不可能な場合などに限りましょう。

 

また、お願いの仕方にもコツがありますが「その②」で触れたいと思います。

 

過去には市街地から4kmの道のりを1時間以上かけて帰ってみたこともありまして、最悪の場合は市街地から徒歩でも帰れます。

 

 

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▲冬に歩くとこういう道を通ることになるので、やはり助け合いは大事

 

 

その② 個人間の問題は当事者同士で解決するのが基本

人と人が集まればトラブルもあるし、仲違いも発生します。理不尽なこともあるでしょう。
それが一つ屋根の下で共同生活をするシェアハウスであればなおさら。

 

そんな時はどうしましょう。

 

「みんなで話し合う?」「管理人に相談する?」

 

基本的な考え方は「当事者同士で解決し、シェアハウスを巻き込まない」です。

 

例えば公の場で「〇〇さんの行動に対して、気になることがある(不快に感じる)。みんなはどう思うか?」といった具合に自分の不快感を当人のいないところでシェアしたり、本人に「みんながこういっていた」「〇〇さんがこう言っていた」と負の感情を伝えたりすることは、シェアハウスに大きなストレスをかけることになります。

 

小学校の学級会ならともかく、シェアハウスは基本的に大人の集まりです。価値観や倫理観は十人十色。
多数派の意見が通るとは限らない。これもシェアハウスの特徴です。

 

「自分の意見や考え方を直接本人に発信する」「嫌なことは嫌と言う」

 

これが出来なければ、自分にもストレスをかけることになりそうですよね。
意外かもしれませんが、「当事者同士のみで解決すること」は「血の通った温かな人間関係」を築くことと同じくらい快適なシェアハウス生活には重要なのです。

 

「当事者同士で解決し、シェアハウスを巻き込まない」という考え方は、「その①」の「お願いの仕方」とも関係しています。

 

「個人的なお願いごと」をシェアハウス全体に共有するのではなく「個別にお願いをする」ということ。
そうなれば、当人同士の「貸し借り」の問題です。シェアハウスにも「マチコサン」にも負担をかけることなく、市街地まで迎えにきてもらえるでしょう。

 

無論、逆の立場になった時は市街地まで迎えにいってあげましょうね。

 

個人間の人間模様は様々ですが、僕は「相手に不利な条件は持ちかけない」「多大な見返りを求めない」ということを意識することで、自分の心の平穏を守っています。与えよ、されば与えられん。

 

 

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▲どこかの宣教師が書いた本に、そんなこと書いてた気がします。

 

 

その③ シェアハウスは「変化」していくもの

シェアハウスは入れ替わりがあったり、お客さんが来たりと人の出入りが激しい。
僕の住んでいるギルドハウス十日町も老若男女、国内外から様々な人達が訪れます。

 

あなたは自分の属するコミュニティに新しい人が入ってきた時、どんな気持ちになる人でしょうか。

 

多人数が長く住んでいれば、環境が変わることを恐れる人も必ずいて、住人が1人増えることで起きる変化に追いつけずに拒絶したり、派閥をつくったり、新しい人を排除しようなんて動きも少なからずあるでしょう。しかし、人が集まって構成されている「場」は生き物です。その時々で空気感も変わります。

 

いわば、シェアハウスは「変化を前提とした場所」なんですね。
どんなにルールが明確になっているシェアハウスでも、これは変わらない事実だと思います。

 

「前はこうだったのに」なんてことを考えていたら疲れきってしまいますよ。
変化することが当たり前という気持ちを持つことで、多少のことでは動じなくなります。

 

 

その④ フラットな気持ちでコミュニケーションをする

 

偏見や先入観はできるだけ小さくしましょう。過去の出来事や自分の考え方に固執せず、人や出来事とコミュニケーションを取ることが快適なシェアハウス生活を送るポイントです。

 

その考え方って大切だなと思った出来事もありました。
海外の人がゲストで来た時、「東京で食べておいた方が良いものってある?」という話になった時のこと。自他共に認める壊滅的に英語が分からない女の子が「カツ丼じゃないかな!ええと、ライス…オン…ポーク…フライ」と絵的にどういう状況か分からない物を頑張って説明していましたが身振り手振りで分かったらしく伝わっていました。

 

この「こちらから語りかけよう」というコミュニケーションの心構えと同じく、既存の住人、新しい住人、ゲストにも分け隔てなく主体的にコミュニケーションを仕掛けていけば、肩身の狭さや居づらさを感じることもありません。新しい住人やゲストも入ってきやすい場所になります。そうすれば、住人の新陳代謝が活発になってシェアハウスは持続的に続いていくのです。

 

 

ギルドハウス十日町は「ルールがないことが唯一のルール」

さて、僕の住んでいるギルドハウス十日町は「ルールなどない!ルールは死んだ!」とニーチェのようなことを言っています。また、「自由からの逃走」に登場する民衆の如く自由を与えられている僕たちですが、何もない場所というのは不安にもなるでしょう。

 

こういったコツを掴むことでシェアハウスを快適に過ごすことができるかもしれません。
ただ、僕は伝えたいのは「こうあるべきだ」という話ではなく、「こういう考え方を持つと精神的にも人間関係的にも余裕を持ってシェアハウスでの生活が送れる」ということだということをご承知おきください。
とは言っても、人間同士のことなので時には柔軟さも必要です。最終的には人類愛で全てを包み込んでくださいね。

 

 

さぁ、最後にとっておきのコツをお教えしましょう。

 

その⑤ 「管理人」に敬意と感謝と気遣いを

シェアハウスにおいて、管理人は複雑な共同生活の舵を握る存在です。
その場をつくり維持していくために見えない所で多大なエネルギーを使っていることは間違いありません。

 

ギルドハウス十日町にも「ギルドマスター」と「マチコサン」という名の管理人がいます。
冒頭にも話しましたが、特に「マチコサン」が存在しなくなったギルドハウス十日町は3日で廃れ、1週間で荒れ果てると言われています。そのあとに待っているのは略奪、争い、飢え、貧困です。

 

僕が初めてギルドハウス十日町を訪れた日のは入居日初日、ギルドハウス十日町がオープンする2週間前の時でした。
何もない部屋、ドアのない個室。管理人室でカセットコンロの上の鍋を囲みながら「マチコサン」が切ったと思われるゴロリとしたニンジンをかじっていたあの頃。

 

それから1年半以上が経ち、ニンジンも一口大になっている絶品料理が食卓に並び、現在の「絶妙な塩梅」のギルドハウス十日町になるまで色々な人間模様を見て、その渦中にもおりました。

 

思い起こすと、「ギルドマスターの一言」と「マチコサンへの配慮」を念頭に置くと何かと全てが丸くおさまっています。
僕らが気がつかない所で、この場を維持するための膨大なエネルギーが流れていることを忘れてはいけないのです。

 

世の中のシェアハウスも、きっと同じです。
管理人ではなくても、その場所を整えることに自分の時間と労力を割いてくれている人が必ずいます。

 

それを忘れずに、態度や言葉に表すことはもはやシェアハウス云々ではなく人間として大事なことだと思います。
言葉にするのが照れくさければ、他の方法で伝えてみれば良いのです。

 

ハルさん、マチコさん
二人のおかげで、僕は心豊かに伸び伸びと仕事と生活を謳歌できています。
父と母のような存在でいてくれて、とても感謝しています。いつも本当にありがとうございます。

 

 

ギルドハウス十日町は、僕にとって実家のような場所になりました。
シェアハウスでの生活は人生や暮らし方、価値観に色んな影響を与えてくれます。
悩んでいるのなら、その一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。きっと良い方向に向かうはずですよ。
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大塚眞
地域を開く、地域を拓く。 十日町のことを「つまびらか」にしながら、外に大きく開いていく。 Co-lab Mediaとおかまちを通して、"地域びらき"を実践することで多くの「モノゴト」が起きれば良いなと思っています。この写真、目がイッてますね。